頭文字(イニシャル)D THE MOVIE (香港映画)ってどーなの? | Barたまブログ   ФAlfaromeo+Volvo+BuellФ

頭文字(イニシャル)D THE MOVIE (香港映画)ってどーなの?



前々から観ようと思ってて、どっかに「どーせ香港映画だからなぁ」みたいな感覚があって二の足を踏んでいた映画があります。原作は33巻が発売直後で以下続巻のオバケ・コミック。

頭文字(イニシャル)D THE MOVIE

がそれ。
コミックは余りに有名ですけど、まさか実写で映画化するとは日本人の発想ではありませんわな。バトルシーンをCGでやったアニメのTVシリーズがイイ味出してたんで、ま、意表を突かれた感じ。実写化に当たっては、日本のスタント・チームである高橋レーシングが担当することで、CGを使わないドリフトが見所の映画。ロケは実際にコミックの舞台である榛名山と、新潟の公道封鎖して撮影してます。(良く行政が許可出したね)あの狭い峠道でどこまで慣性ドリフトをカマすかが見所ですわ。まま、是非ソコは観たいと常々思っとりました。

ところがですな、配給はGAGAなんですが、制作と出演者は香港なんですな。つまり香港映画。当然、中国語なんです。ソコが足引っ張ってたのも事実ですわ。あの香港映画に有り勝ちな、チャカチャカしたテンポのセリフ廻しとか、カンフーとか出て来たらどないしよーか、みたいな。しかも「イニDで中国語」はねぇだろ?な違和感とか。これが鑑賞するに当たって二の足踏んでるヒトの本音でしょうなぁ。

でね、観たんですよ。もーね、たかが@¥300じゃんと、割り切って借りましたよ。走行シーンもそんな多くねぇ~だろ~とか、やっぱCG使ってるんじゃないのぉ~とか考えつつ、サイアク、詰まらなくてもえぇワと。

んで、早速帰ってDVDセットします。
冒頭はいきなり朝霧の峠道。ケツ振りながらAE86が突っ込んで来るんですわ。このドリフトがまた綺麗なコト・・・。S字気味のヘアピン、1つ目を微妙に流しつつ流しっぱで切り返すんですが、オツリなし。カウンターも最小。しっかり2つ目で収束させて立ち上がって行くんですわ。もーね、完璧。相当回数走ってると思うけど、作中で一番のドリフトが冒頭に出てくるんですわ。ココでクルマ好きは目が皿ですわ。

高橋レーシングの仕事は完璧でした。ソレだけでも観る価値ありなんですが、本編のほーもね、意外に面白いのよコレが。俳優はともかく、全体の構成、演出、カメ割りなどなど無難な出来でしたわ。CGもちょっと使ってるんですけど、明らかにCGと分かる処理にしか使ってナイんですわ。それがまたイイ味出してんのね。サブキャラの五木がモロ「香港の脇役」なサモハンキンポーみたいなのは差し引いてもだ、高橋涼介が中国語しゃべってよーが、なつきだけ日本語だろーが、関係なし。全体的には○でした。
(とは言ってもハリウッド並みとは言いませんけど)

で、肝心の走行シーン。勿論ドリフトやってるんですが、事前にハードにゃ、イロイロやってんだろーと予想はしてたんですよ。ノンスリはバキバキ設定で、細いタイヤ履くとか、路面に水撒くとか、リアをポジキャンとか。AE86のノンスリ付きはドリフト簡単かな~とか思ってたんですが、そんなレベルじゃない。GT-Rは流石にリア・ロックさせて振り出してましたけど、FRはフットペダルのみでしたね。特に圧巻だったのは、R32GT-RとAE86とFC3Sによる3連ドリフト。これが超近いんですわ。撮影でも何台かクラッシュさせたよーですが、1ショット内に3台入れるカット撮るんですから、そりゃ離れたら臨場感なくなるわな。1フレーム内に収めるには、相当近くないとダメでしょ?実際、制作側もこのシーンはCGじゃないと無理か?と思ってたそーですが、やっちゃったところが凄いですわ。ここだけでも観る価値あり。更にミゾ落としまでやってるし。


つーことで、

見て損無し度  ★★★★☆ 星4つ!

昨今のWRCビデオより全然凄いヨ。クルマに興味ない人は最初から観る価値なし。