WOM (クチコミ) の恐い話 | Barたまブログ   ФAlfaromeo+Volvo+BuellФ

WOM (クチコミ) の恐い話

aidma



最近、消費者の購買行動が変わってきた、と言われてます。ちょっと外出しただけでも、実に様々な情報が氾濫していますよね。これだけ情報過剰な状態ですと何を指標に消費者が購買行動を起こすか、広告制作側でも困ってしまいます。

消費者が、

朝起きて→通勤→会社→外出→帰社→帰宅→寝る

つーよーな普通の1日で、接触すると想定されるメディアは、CM新聞雑誌ラジオweb駅貼り中吊りビルボードDMチラシなどなどまぁ凄い量です。
ある調査によると米国の一般的な有権者が1日に接触する広告量は、1990年代では「500」であったのが近年では、「3000~3500」になったという結果が出ています。メディアが増え”発信する情報量は10倍”とか言われてますが、全部吸収出来るワケではありません。記憶に残るのは30%程らしく、残りの60~70%の情報は”クラプター”と言って、記憶から落とされてるんですねぇ。視覚情報を脳が自動的に無視しているのと同じです。今朝、乗っていた通勤電車の中吊りを覚えていますか?余程インパクトや興味がないと殆ど覚えていないと思います。ま、それでも受ける側も進化はしていて、人間が消費出来る情報は従来に較べて約4倍に増えてるそうです。


4大媒体と言われていたTV、新聞、雑誌、ラジオにwebが割って入ってきたのはご存知だと思います。

「TVやラジオは視聴しなくなったから、メディアとしての価値なんて下がり捲り~」

とお思いでしょうが、実はんなコトはなくて広く一般認知を目的としたメディアとしては、依然有効な手段です。しかし、購買を意識した瞬間に情報媒体はTVではなくwebに移るのがここ10年の傾向です。なモノで、”web連動型”と呼ばれる広告手法に変わって来たんですねぇ。「詳しくはwebで”カチカチッ”」ってヤツです。

例えば、クルマを買うとしましょう。新聞の15段でふと見たクルマに興味を持ちました。家で見たTVCMでも再び接触して好感度がUPします。ちょっと欲しいカモ・・・。ここで従来であれば、DLRにカタログの請求をしたり、DMやチラシに接触したりして情報収集しますよね。ここから”webで検索”になったワケです。マーケティング分野では、従来の消費者行動を「AIDMAの法則」と言います。これは、

注目(Attention)→興味(Interest)
欲求(Desire)→記憶(Memory)
購入(Action)


といった行動を法則化したものです。
これに対して、webを介在した消費者行動はこのように変化しました。

注目(Attention)→興味(Interest)

検索(Search)→購入(Action)

共有(Share)


これを「AISASの法則」と言います。
この法則が最近になって更に変わって来ています。いわゆるWOM(Word Of Mouth:口コミ)です。

従来型の「AISASの法則」では、3番目の検索における有力な情報源は、企業でした。TVCMや限られた誌面では流し切れない商品説明や特性など、自社のwebに誘導して説明するワケです。これが、ここ最近では企業HPに行かなくなったんですね。※ま、アナタの消費行動もそーだと思いますケド。

つまりは、家電であれば価格.comであったり、化粧品であれば@コスメ、旅行であれば4travelのように、口コミサイトで情報検索しているワケです。「オーナーが語る真実」ってヤツですな。企業側が発信する情報は基本情報でしかなく、実際購入した人の体験や価値判断を、購買動機の一因にするよーになったんです。しかも動機付けのかなりのウエイトです。

ところが、情報発信側もんなコトは重々承知してるんですよ。つまり口コミで商品が売れるなら、口コミを仕掛けよう、ちゅう動きですな。これを

WOMマーケティング

などと呼びます。恐いところでは、大手企業にこれらの対処する専門部門を設置する動きが加速してるってトコです。相当、仕込みの準備をやってる、もしくは実施しているのです。これらは、「BUZZ」とか「Advocate」とか呼びます。

ま、企業側で仕掛けたWOMは凄く問題も多くて、殆どの場合はバレます。有名どころでは、某家電大手が携帯MP3プレーヤーのSP活動の一環でブログを設置しました。モチ、個人ブログと偽ってです。これ、文脈やトラバから直ぐ、企業制作とバレまして、かなりnetで叩かれました。いわゆる「ブログ炎上」です。して、何の説明もなくいきなり閉鎖したモノで、その後更に叩かれる羽目に陥ったことがあります。ちゅうことで、ここのところでは、「××の社長のブログ」やら「××会社営業のブログ」などと身分を明かしてWOMするケースが散見されます。(効果あったとは思えませんが)


で、今日のまとめ。
WOMもまだ始まったばかりですが、

口コミは、信憑性が高い!のではなく

口コミは、信憑性が高い!と思われる

が正しい。
結局、情報は溢れんばかりにあるんですから、有益な情報を見抜ける目を持つため、知識を累積して総動員で対処するしかなく、個人が持つしかないのです。それが出来ない人は出来る人に頼るしかありません。


口コミを鵜呑みにするのは止めましょう。


というお話でした。